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さいはてのキャバレー

石川直樹&森下真樹
ディナーショウ!!開催レポート

今回のゲストは、七大陸の最高峰をはじめとする世界を旅しながら人間の精神を深く掘り下げてきた写真家の石川直樹さんと、予測不能の動きと独特な間で人々を魅了してきたダンサーの森下真樹さんのお二人。
場所やジャンルの限界を超境してきた二人がつくり出すイマジネーションあふれる身体パフォーマンスを披露していただきました。


石川直樹&森下真樹ディナーショウ!!

10月22日(火・祝)に“さいはてのキャバレー”にて
「石川直樹&森下真樹ディナーショウ!!」を開催しました。
写真家とダンサーという異能なパフォーマーがおくる「さいはてのデュエット」をお伝えします。

石川さんは、人生で初めて袖を通したというタキシード姿で、“さいはてのキャバレー”総支配人 北川フラムアートディレクターに代わり、支配人役として司会を務めてくださいました。

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森下さんは着物姿で「ウイスキーがお好きでしょ」の音楽に合わせ、観客にウィスキーを注ぎながら登場。一気にキャバレー感を醸し出す振る舞いに、思わずドキドキしてしまいました。粋な登場のあとは、石川さんとのデュエット「男と女のラブゲーム」を披露。
石川さんはとても緊張した様子でしたが、歌い終わった後、着物姿の森下さんをお決まりの「あ~れ~」で、帯をくるくると脱がすパフォーマンスで会場も盛り上がりました。
着物から明るい色の衣装に変わった森下さんは、今年話題となった「パプリカ」でリズムよく弾けるように踊り、しっとりとしたクラシックや大迫力ベートーヴェンの「交響曲第5番」など様々な展開のダンスに目が奪われます。
また、石川さんと森下さんが富士山を一緒に登頂した時の様子を、会場と富士山での映像を舞台に表現され、森下さんが酸欠状態になりながら登山をしている演技や演出によって、コミカルでシリアスな空気が漂う、今までにないキャバレーショウとなりました。
そして、圧巻だったのは、ベートーヴェンの「交響曲第9番」。しなやかでありながら、力強く迫力のある身体の動きは、感情が次々とあらわになり、生きていることに対しての心の叫びをダンスで表現されているように感じさせます。
ラストには、森下さんの合図で、石川さん、ホールスタッフ全員がいきなり踊りだすフラッシュモブのサプライズがあり、登山にちなんで、人で富士山を作る細かな演出のこだわりからも、「誰かを120%楽しませる」気持ちが伝わり、目頭が熱くなりました。

パフォーマンス後の料理は、「レストラン典座」(珠洲市三崎町)の坂本信子さんの提供で、珠洲の旬の食材をふんだんに使用した料理が、切り出して作った竹の器にきれいに盛り付けられ、能登の秋を感じさせるお弁当を視覚や味覚で楽しみました。

アフタートークは、観客からの質問に答える形で進められました。「今回お二人がコラボレーションしたきっかけは?」という質問に対し、振付家でもある森下さんが、ダンスとは縁が遠いように思われる写真家の石川さんに振り付けをしていただきたいと思ったのがきっかけで、オファーをしたそうです。ですが、石川さんは、ダンスを踊ったことがなかったため、依頼を断りましたが、森下さんからもう一度お願いされ、「じゃあ、一緒に富士山に登りましょう」と提案されたそうです。石川さんは「お互いのことを知るにはやはり登山です。」と話され、登山初めての森下さんは当時のことを思い出しながら「初めての登山なので一緒にスピードを合わせて登ってくれると思ってましたが、石川さんがどんどん先に行ってしまうので、とてもスパルタでしたよ!」と冗談交じりにお話され、お二人の関係性なども伺えた楽しいトークでした。

石川さん、森下さん、素晴らしい演出とアフタートーク、本当にありがとうございました!

石川直樹

1977年東京生まれ。写真家。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により、日本写真協会新人賞、講談社出版文化賞。『CORONA』(青土社)により土門拳賞を受賞。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)ほか多数。最新刊に、エッセイ『極北へ』(毎日新聞出版)、写真集『この星の光の地図を写す』(リトルモア)など。都道府県別47冊の写真集を刊行する『日本列島』プロジェクト(SUPER LABO×BEAMS)も進行中。

森下真樹

振付家・ダンサー・森下スタンド主宰。10か国30都市以上でソロ作品を上演。現代美術家・束芋とのコラボレーション作品『錆からでた実』やMIKIKO、森山未來、石川直樹、笠井叡という全く異なるバックグラウンドを持つアーティストが各楽章の振付を担当するソロ「ベートーヴェン交響曲 第5番『運命』全楽章を踊る」など、ジャンルにとらわれない活動をする。2014年第8回日本ダンスフォーラム賞受賞。2015〜17年(公財)セゾン文化財団シニアフェロー。ベートーヴェンの音楽第2弾として、2019年10月森下スタンド新作公演「ベートーヴェン交響曲 第9番 全楽章を踊る」を予定。

ABOUT 

さいはてのキャバレーとは?


珠洲と佐渡を結ぶ船がなくなってから約40年、かつての乗船客の待合所が、
奥能登国際芸術祭2017を機に「さいはてのキャバレー」として生まれ変わりました。
19世紀パリで産声をあげたキャバレーのように、住民、旅行者、そして芸術家が集い、最先端の文化芸術を楽しみ、交流するスペースです。
多彩なゲストをお呼びし、さいはてのキャバレーイベントを開催しています。