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会場プログラム

 

会場内にはまるで海からあがった珠洲焼のように、民具がいくつかのエリアに展示してあります。点在する小屋には、複数のアーティストの視点で据えた、珠洲の歴史や風景、風土などをテーマとした作品が展開されています。アリーナにある砂浜は、氷河期の珠洲の砂が敷き詰められ、白化した貝殻の上には、波の映像がその風景を蘇らせます。民具にかすかに残る記憶の余光は、珠洲の物語へとつながり、海底の時間の渦に巻き込まれていくかのように会場を巡り歩くこととなります。

キュレーション・演出/南条嘉毅

プロジェクトメンバー

ディレクター/北川フラム

キュレーション・演出/南条嘉毅

民俗文化アドバイザー/川村清志(国立歴史民俗博物館)

建築改修・空間設計/山岸綾(サイクル・アーキテクツ)

音楽/阿部海太郎

特殊照明/鈴木泰人(OBI)

造形・演出サポート/カミイケタクヤ

映像記録/映像ワークショップ

民族資料保存・活用アドバイザー/川邊咲子(国立歴史民俗博物館)

グラフィック・商品デザイン/KIGI

 施設情報

▶入場料
 一般800円/大学生600円/小中校生400円
 ※会期外は、10名様以上の事前申込で、ご覧いただけます。

▶住所
 〒927-1321 石川県珠洲市大谷町2-47

大蔵ざらえ

奥能登国際芸術祭では、「大蔵ざらえ」と銘打ち、家々に残る生活用具の数々を収集しました。「蔵ざらえ」は、商店が店じまいするときに使われる言葉ですが、過疎高齢化の進む珠洲においては「家じまい」が進んでいます。そこにはなじみ深い家具・調度・道具・什器・備品・祭り用品・日記・ノートなど、貴重なものが無数にあります。それら蔵にある品々を皆で掃除・移動し。保存・研究すると同時に、アーティストの創作によって「珠洲の語り部」としても活用していく取り組みです。

珠洲の生活用具

 

かつて生活に用いられた多くの道具類は、時代の移り変わりとともに忘れ去られ、蔵の中に仕舞われたままになっています。江戸時代から用いられた前腕、衣食住、祭りや行事に関わる道具、農業や漁業、製塩など生業に関わる品々もあります。今回の大蔵ざらえで収集した生活用具は1,500点以上にのぼります。集められた生活用具は、一点一点、聞き取りで得られたデータと実測値を付与されて資料化されていきました。その一部は、シアターミユージアムにおいて紹介されています。

民俗文化アドバイザー/川村清志(国立歴史民俗博物館)