阿部海太郎
日本
「光の方舟」の音楽は、蜷川幸雄演出作など数々の舞台作品に参加し、劇音楽の新しい可能性と楽器の今日的な表現を追求する作曲家、阿部海太郎が手がける。民具に残る記憶のかすかな余光をたどっていくこのシアター・ミュージアムにおいて、音楽は博物館の単なる背景音ではなく、モノの記憶やそれらのモノがかつて使われていた場所の記憶と観客それぞれの記憶をつなぎ、物語を紡いでいく大切な要素となる。
楽器の奏でる音楽だけではなく、珠洲の祭りや浜へ寄せる波、風、今も地域に響く音と、もう残っていないかつての音風景とが、懐中電灯で照らして見つけられた蔵のなかの民具のようにミュージアム各所より聴こえてくる、そんな空間が生まれようとしている。
武蔵野美術大学大学院修了。
80年代の活動当初から鉄という素材に魅了され、溶断と溶接を繰り返しながら作品を制作している。
素材本来の硬質感や重量感、彫刻=塊という概念からも解放され、空間を変容させていく。
“場”を深く観察し、可視、不可視に関わらずそこに存在するものを取り込み、
独自の世界を構築する。
近年は石膏、ガラスなど異素材の作品も発表。
主な受賞歴に、芸術選奨文部大臣新人賞、毎日芸術賞、中原悌二郎賞。
「光の方舟」の音楽は、蜷川幸雄演出作など数々の舞台作品に参加し、劇音楽の新しい可能性と楽器の今日的な表現を追求する作曲家、阿部海太郎が手がける。民具に残る記憶のかすかな余光をたどっていくこのシアター・ミュージアムにおいて、音楽は博物館の単なる背景音ではなく、モノの記憶やそれらのモノがかつて使われていた場所の記憶と観客それぞれの記憶をつなぎ、物語を紡いでいく大切な要素となる。
楽器の奏でる音楽だけではなく、珠洲の祭りや浜へ寄せる波、風、今も地域に響く音と、もう残っていないかつての音風景とが、懐中電灯で照らして見つけられた蔵のなかの民具のようにミュージアム各所より聴こえてくる、そんな空間が生まれようとしている。