撮影:岡村喜知郎
忘れられた鉄道、駅、プラットホーム。作家は忘れられることの意味を問い、のと鉄道旧飯田駅を、どこの駅でも見られるような「忘れもの」で満たした。ホームに停車している貨物車の内部は黒板になっていて、鑑賞者はそこに未来への言葉を書き遺す。忘れられた駅が「忘れもの美術館」として蘇った。
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武蔵野美術大学大学院修了。80年代の活動当初から鉄という素材に魅了され、溶断と溶接を繰り返しながら作品を制作している。素材本来の硬質感や重量感、彫刻=塊という概念からも解放され、空間を変容させていく。“場”を深く観察し、可視、不可視に関わらずそこに存在するものを取り込み、独自の世界を構築する。近年は石膏、ガラスなど異素材の作品も発表。主な受賞歴に、芸術選奨文部大臣新人賞、毎日芸術賞、中原悌二郎賞。
1940年神戸生まれ。多摩美術大学卒業。1960年代から国内外で作品展開する日本を代表する現代美術作家の一人。 「見えること」と「見えないこと」の「関係」を作品化。種子を鉛で覆う、蓮の花托を蜜蝋で包む、化石をフロッタージュするなど、封印することによって、観客の想像力をかき立て、観客の様々な意識(時間・空間の意識、美意識、死生観など)を呼び覚ます。筑波大学名誉教授、2014年から金沢美術工芸大学教授。 【主なプロジェクト・展覧会】 1970「東京ビエンナーレ1970 人間と物質」東京都美術館 京都市美術館 1989「大地の魔術師」ポンピドゥー・センター/グラン・ダール・ド・ラ・ヴィレット(パリ) 2003「河口龍夫 大地と水と植物」ヒルサイド・フォーラム ( 東京 ) 2007「河口龍夫 見えないものと見えるもの」 兵庫県立美術館 名古屋市美術館同時期開催 2009「河口龍夫展 言葉・時間・生命」 東京国立近代美術館 2000~2012「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000、2003、2012」 新潟県
『関係-農夫の仕事』2003年 Photo by S.Anzai
『未来への航海』2012年 Photo by naka