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珠洲の話をしよう

奥能登フラム塾

Oku-Noto Fram cram school.

珠洲市の文化や産業をテーマに、 その分野で専門的なゲストをお招きし、
北川フラム総合ディレクターと芸術祭を応援するサポーター、
市民が一緒に、珠洲市の魅力を再発見することを試みます。

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第1回 

海の幸

「珠洲の魚の美味しさの秘密」

第2回 

珠洲のキリコ祭り

「coming soon」

第3回

能登杜氏

「coming soon」

第4回

珠洲の伝統建築、生活建築

「coming soon」

第5回

珪藻土

「coming soon」

特別編

南極会談

「coming soon」

第1回奥能登フラム塾 
テーマ:「海の幸」

講師におさかなマイスターの前野さんと釣り名人の林さんを迎え、奥能登珠洲で食べる魚の美味しさの秘密に迫ります。

珠洲はお魚パラダイス

珠洲市の蛸島漁港は石川県に69ある漁港の中で、2箇所しかない「三種漁港」(全国的な規模の漁港)に指定されています。この蛸島漁港では、カラフト(珠洲では「アオマス」と呼ぶ。以下、括弧内は珠洲での呼び方)やハタゴイ(モンゴツ)、キジハタ(ナメラ)、アマダイ、タラ、サクラマス、甘エビ、フグなど南遠・北遠からも多種多様な魚が揚がり、流通される品種だけで280種を数えます。

様々な海藻が販売されていることも特徴的で、ツルガラメ、カジメ、クロメ、アオサ、海苔、もずく、海ゾウメン、ツルゴ、アカモクなど普段、聞きなれない名前の海藻も多く流通しています。
美味しい魚の宝庫である珠洲の海は漁師のみならず、釣り人にとってもパラダイスです。県内外から珠洲へ釣り人が訪れ、特にスズキは日本有数のポイントになっており、全国大会スズキの部では、珠洲でスズキを釣った人が3年連続で優勝したこともあります。 

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このように種類豊富な珠洲の魚の特筆すべき点はその美味しさです。これには珠洲の地理的条件が密接に関わっていると考えられます。一般的に魚のえさとなるプランクトンは、暖流と寒流の狭間で大量に発生します。能登半島の突先に位置し日本海に突き出る珠洲の沖では、暖流の対馬海流と寒流のリマン海流がぶつかり、豊富なプランクトンが発生します。この豊富なプランクトンをえさにして、珠洲の魚は脂が乗って美味しくなります。
ところで、サバやイワシを糠に漬けてつくる「こんか漬」や「イシル」、「ヨシル」などの「魚醤」は有名ですが、珠洲の海産物を加工した商品は意外にも多くありません。珠洲では魚料理でも凝った調理をするよりも、素材の味をそのまま活かすことが多いためです。加えて、波の荒い外浦(日本海側)と穏やかな内浦(富山湾側)という二つの性質を持つ海を有するために、年間を通じて海産物に恵まれていることも影響していると考えられます。 


素材の味を活かすためには、2つの重要なポイントがあります。一つは「旬」。外浦と内浦では同じ種類でも味が全く違うため、美味しい時期もそれぞれ違います。もう一つは「鮮度」。釣ってから食べるまでの時間が短ければ短いほど美味しい魚もあれば、熟成させることで美味しくなる魚もあり、その魚にあった食べ方があります。
このような豊穣な漁場で育った美味しい魚を楽しむため、魚釣りから食べるまでを旅行の一つの体験として楽しむことも一つです。釣り道具を用意して早朝から釣りに出かければ、芸術祭をきっかけに珠洲の新しい楽しみに出会えるかもしれません。 

アートディレクター
1946年新潟県高田市(現上越市)生まれ。東京芸術大学卒業。  

主なプロデュースとして、現在のガウディブームの下地をつくった「アントニオ・ガウディ展」(1978­‐1979)、日本全国80校で開催された「子どものための版画展」(1980­‐1982)、全国194ヶ所38万人を動員し、アパルトヘイトに反対する動きを草の根的に展開した「アパルトヘイト否!国際美術展」(1988-­1990)等。  

地域づくりの実践として、「ファーレ立川アート計画」(1994/日本都市計画学会計画設計賞他受賞)、2000年にスタートした「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(第7回オーライ!ニッポン大賞グランプリ〔内閣総理大臣賞〕他受賞)、「水都大阪」(2009)、「にいがた水と土の芸術祭2009」「瀬戸内国際芸術祭2010、2013、2016」(海洋立国推進功労者表彰受賞)等。